在ハンガリー日本大使館 館員日誌
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「剣道村」ジュールザーモイ訪問
2011年8月29日
稽古風景。 |
前列着席者左から2人目がハンガリー剣道連盟会長のヴァダディ氏、右から2人目が阿部氏。右端は、クラブ創立者のバルガ氏。(拡大写真) |
8月25日、ブダペストの西約120kmに位置するジュール市郊外のジュールザーモイ村(人口約2500人)にある剣道クラブを伊藤大使とともに訪問してきました。
この「シゲトクズィ・ジュニア剣道クラブ」(メンバー数約20人)は、89年の東欧での体制転換直後に、地元の剣道愛好家が設立し、最初は子供のためのクラブで防具もろくにないような状態でしたが,1993年に,当時青年海外協力隊(JOCV)の剣道隊員としてブダペストに滞在していた阿部哲史氏がこのクラブを訪れ,定期的に出張指導を行うようになり、阿部氏の帰国後も後任の隊員の方々が指導を続けました。’04年のEU加盟に伴い、ハンガリーへのJOCV隊員の派遣は終了しましたが、ジュールザーモイの子供たちはその後も稽古に励んで立派な剣士として成長しました。
昨年4月ハンガリー東部のデブレツェン市で開催された第23回欧州剣道選手権大会では,ハンガリー男子チームは優勝したフランスに準々決勝で惜敗しましたが(館員日誌)、今年4月にポーランドで開かれた第24回大会では,ハンガリー男子ナショナルチームは、団体戦で見事優勝、そのメンバー7人のうち実に4人がこのクラブ所属の選手です。
当日、村の小学校の体育館で、前述の阿部氏(’95年から再びハンガリーに戻り、現在ハンガリー剣道連盟の技術局長及びナショナルチーム監督)と共に稽古を見学して、防具の中にいる彼らが外国人であるとは思えないほどの立派な構え,足裁き,打ち込みぶりを見て、「名門クラブ」のレベルの高さが良くわかりました。明年は,3年に1度の世界大会が日本チームも参加してイタリアで開催される予定であり、欧州チャンピオンのハンガリー・チームの活躍を期待したいと思います。
なお,この日の往路,ジュール市で、ハンガリー日本友好協会ジュール支部のホルヴァート・フェレンツ支部長とお会いして,同支部の活動内容についてお話を伺い、意見交換する機会を持ちました。(広報・文化班:K.Y)
国費留学生への渡日前オリエンテーションの実施
2011年8月24日
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昨年の帰国留学生より最新の情報を紹介 |
8月24日(水)、大使館多目的ホールにおいて、9月及び10月から日本政府国費留学生として渡日するハンガリー人留学生に対して、オリエンテーションを実施しました。今回日本に留学するのは、大学院で医学や美術史、建築などを学ぶ4名、及び大学で日本語・日本文化を学ぶ8名です。こうしたオリエンテーションは、留学生の出発時期に合わせて年2回実施しています。(館員日誌)
募集段階では、3月に発生した大震災の影響で応募者数が減ってしまうことを非常に心配しました。しかし、ハンガリーには、日本で勉強したいという学生が多く、また、各大学や国際交流基金事務所で積極的に実施した募集説明会の成果が実り、結果的には昨年よりも大幅な応募者増となりました。オリエンテーションに出席した留学生は皆真剣な眼差しで、間近に迫った留学への期待と決意が感じられ、選考に携わった者として大変嬉しく思いました。(広報文化班:S.S.)
被災地生徒の歓迎レセプション
2011年8月4日
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ハンガリー訪問の感想を発表する生徒たち。右端は、引率の大船渡市・今野洋二教育長 |
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プレゼントされた、ハンガリー人発明のルービックキューブを手にして(拡大写真) |
8月3日(水)、大使公邸において、現在ハンガリーを訪問している岩手・福島の被災地の生徒さん達のために、歓迎レセプションを開催しました。生徒達は、9日前にハンガリーに到着し(館員日誌)、それ以来、ハンガリー南東に位置するホードメズーバーシャルヘイ市を起点に国内各地を訪れ、地元の人々と交流しながら、手工芸品や陶器の制作、ハンガリー・ダンス、乗馬、カヌーの体験など、盛り沢山のプログラムを楽しんできました。
3日には首都ブダペストで、シュミット大統領、オルバーン首相を表敬訪問しましたが、お二人ともそれぞれ長時間にわたり生徒達を暖かく迎えてくださり、ご自分の執務室や賓客との接見室などに招き入れて、ハンガリーの歴史を物語る壁画や絵画を丁寧に説明してくれました。私も、生徒達に同行したお陰で、普段はどの国の大使も入ることの出来ない、国会内の閣議室をじっくりと見学することが出来ました。
公邸でのレセプションでは、17人の生徒全員から一言ずつハンガリー訪問の感想を述べて貰いましたが、お世話したボランティアの学生さんや行く先々で出会ったハンガリーの人々の優しさと思いやりに感激した旨、異口同音に述べていました。ハンガリー側から、赴任前のセルダヘイ新駐日大使、マールトン・ハンガリー・日本友好議員連盟副会長他3人の議連メンバー、そして日本側から商工会の幹部の方々や、ブダペスト在住の中・高校生が御父兄と一緒に参加しました。久しぶりの和食を食べながら、被災地の生徒さん達はすっかりくつろいだ様子でした。
今回のレセプションは、当地の日本商工会の協力を得ることにより実現しました。商工会メンバー企業の皆様にお礼を申し上げます。(館長T.I.)