在ハンガリー日本大使館 館員日誌
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サミットD&Vへの訪問
2010年7月28日
日本人幹部の方と工場前にて |
7月26日、サミットD&V(正式社名:Summit D&V Kft.、従業員数:約120名)を訪問しました。
同社は、1999年、エステルゴム市(ブダペストの北西約50km)に設立された自動車部品の組立・販売を行う会社です。2003年、住友商事グループの企業になり、現在は同グループが100%出資しています。住友商事は、自動車業界のバリューチェーンの中で様々な事業を展開しており、同社もそのひとつです。現在、隣接するマジャール・スズキ社(館員日誌)に日本、アジア、欧州各国からの部品供給を行うと共に、タイヤ・ホイール、カーエアコン、ドアトリム等の組立てを行っています。また、隣接する欧州企業との合弁会社にて、ドアトリム等の樹脂プラスチック成形部品も製造しています。顧客に隣接するという立地を活かし、工場内では、毎日の生産計画に応じたシーケンス・イン・ライン・サービス(順立て納入:様々な車種が同時に流れる自動車メーカーの製造ラインに、その順序通りに必要な部品を納入する仕組み)が行われており、そのために従業員が効率的に働く姿が印象的でした。(経済班:H.K.)
ショプロン市の「パン・ヨーロッパ石庭」
2010年7月27日
石庭の前で。右から、大使夫人、伊藤大使、ショプロン市長、同副市長、石庭を作った「ロンスペルク城再建推進協会」の村木真寿美さん(拡大写真) |
コンサート開始前にハンガリー語で挨拶。 |
7月24日、オーストリア国境近くのショプロン市で行われた「パン・ヨーロッパ石庭」の集いに館員と共に参加しました。
ショプロン市は、中世の建造物が数多く残る美しい町ですが、1989年8月19日に、同市郊外で開かれた「パン・ヨーロッパ・ピクニック」集会により、世界でその名が知られるようになりました。同集会に参加した600名以上の東ドイツ人が、計画的に切断されたオーストリア国境の有刺鉄線を抜けて西側への脱出を果たし、この事件が、3ヶ月後のベルリンの壁の崩壊をもたらすきっかけとなったのです。国境開放という自分たちの勇気ある行動が、東西ドイツ統一と冷戦の終結に貢献したことを、ハンガリーの人々は大いに誇りに思っています。
「パン・ヨーロッパ石庭」は、昨年この事件の20周年を記念して、ショプロン市内の公園に、日本人造園家が設計・作庭した枯山水の庭園です。庭園を眺めながら、フォドル・タマーシュ・ショプロン市長と懇談した中で、私より、20年前にショプロン市で開かれた日・ハンガリー・オーストリア三カ国外相会談に同席した思い出を紹介し、また同市長から、秋田県鹿角市との姉妹都市交流の状況と、来年市長自身が鹿角市を訪問する予定についての説明がありました。
石庭での集いの後、市内のホテルで、「左手のピアニスト」として世界的な名声を博している舘野泉氏のコンサートが開かれ、素晴らしい演奏に聴衆から惜しみない拍手が送られました。(館長T.I)
SEWS-CEHへの訪問
2010年7月23日
日本人幹部の方と正面玄関前にて |
7月23日、SEWS-CEH(正式社名:SEWS – Components Europe Hungary Ltd.、従業員数:約270名)を訪問しました。
SEWS-CEHは、4月20日に訪問したSEWS-AWH(館員日誌)、及び7月23日に訪問したSEWS-Hと同じく、住友系列の会社です。同社は2003年、ブダペストの西方約90km のモール市、SEWS-Hの隣接地に設立されました。同社は、ワイヤーハーネスに利用されるコネクタや端子、及び車のメインボディや空調部分等に利用されるエレクトロニクス製品を製造するヨーロッパ唯一の拠点です。製造工程においては、自動組み付け機等の工作機械の現地調達化や、ハンガリーでの製造工程に合った機械を開発するなどの工夫がなされているほか、ハンガリー人を積極的にマネージャに登用する等により従業員のモチベーションを高めています。また、従業員に対して定期的なテストを実施することで、その作業能力を上げるとともに製品の品質維持を確保していると伺いました。(経済班:S.H.)
SEWS-Hへの訪問
2010年7月23日
日本人幹部の方と正面玄関にて |
7月23日、SEWS-H(正式社名:SEWS (Sumitomo Electric Wiring Systems) - Hungary Ltd.、従業員数:約680名)を訪問しました。
4月20日に訪問したSEWS-AWH(館員日誌)と同じく、SEWS-Hの親会社は住友電工と住友電装です。同社は1996年より、地元企業とのジョイントベンチャーとして操業を開始しました。現在の工場は1999年、ブダペストの西方約90kmのモール市に設立されました。同社は、SEWS-AWHからケーブル、隣接するSEWS-CEHからコネクタや端子などの部品の供給を受け、それらを加工し、組み立ててワイヤーハーネスを製造しています。昨今の自動車のエレクトロニクス化に伴ってワイヤーハーネスの使用量は増える傾向にあり、車のモデルチェンジがあると必ずその仕様を変更しなければなりません。さらに、ワイヤーハーネスは電気ケーブルが柔らかいことから製造工程の機械化が難しいため、作業は一部工程を除き全て人の手で行われています。そのため同社では、充実した新人教育や全従業員を対象とした改善活動に特に力を入れ、従業員のスキルを向上させ、工場から不良品が絶対に出ないよう徹底しているとのお話を伺いました。(経済班:S.H.)
新ハンガリー日本友好議員連盟発足
2010年7月9日
会合に出席した新議連メンバーと。右から4人目がシリ会長。(拡大写真) |
7月6日、新ハンガリー日本友好議員連盟の発足会合が国会議事堂内で開かれ、伊藤大使とともに参加してきました。4月の総選挙に伴い、ハンガリー日本友好議員連盟が新たにメンバーを募集して、再発足したものです。今期は、前期(2006~2010年)の19名を上回る24名もの超党派の議員がメンバーとなり、会長にはシリ・カタリン元国会議長が就任しました。どの国の議員連盟に加入するかは議員個人の選択によるものであり、メンバーを集めるのに一苦労という議連もある由ですが、日本に関心を持つ多くの議員に集まって頂いたことは、大変光栄なことと思いました。
発足会合では、各議員の日本との関わりや日本への期待などが紹介されました。政治や経済関係への関心が高いのは当然のことですが、音楽や日本語など、身近な交流がきっかけとなって日本への関心を高めた議員も多く、草の根交流の底力を実感しました。議員たちは、今後、活発な活動を行っていくことで一致し、ハンガリー国会に心強い応援団を得たことを確信しました。(政務班H.K.)