東京電力福島第一原発におけるALPS処理水の安全性レビューに関するIAEA包括報告書の公表

令和5年7月12日
1. 日本政府が2021年4月に発表した基本方針を受け、日本政府と国際原子力機関(IAEA)との間で、令和3年7月8日に署名された、ALPS処理水の取扱いの安全性に係るレビューの包括的な枠組みに関する付託事項(TOR)に基づき、これまでIAEAによる一連のレビューが行われてきました。7月4日、これらのレビューを総括する包括報告書が、グロッシーIAEA事務局長から岸田総理に手交され、IAEAから公表されました。

2. IAEA包括報告書の要旨(Executive Summary)においては、以下の結論が述べられています。
(1)IAEAの包括的評価に基づき、IAEAは、ALPS処理水の海洋放出に対する取組及び、東京電力、原子力規制委員会及び日本政府による関連の活動は、関連する国際安全基準に合致していると結論づけました。
(2)IAEAは、包括的評価に基づき、現在東京電力により計画されているALPS処理水の放出は、人及び環境に対し、無視できるほどの放射線影響となると結論付けました。
 
3. ALPS処理水の安全性やその取扱いについて、信頼性や透明性を確保し、国際社会の理解を醸成していく上で、IAEA憲章に基づいて、原子力分野において国際的な安全基準の策定・適用を行う権限を有するIAEAによるレビューは極めて重要と考えています。日本政府は、今後とも、必要な情報共有を継続するとともに、ALPS処理水の取扱いについて、国際社会の一層の理解を醸成していくことに努めます。